いよいよ地区予選大会の最終戦、南信大会が11月29日(土)、飯田市鼎体育館で開催されました!
冷え込みの厳しい朝でしたが、会場はその寒さを忘れるほどの熱気が広がりました。

なんと今大会には、パラウェーブNAGANOが取組む教育プログラム「パラ学」の講師であり、アイスホッケーの元日本代表選手と現役選手で構成されたスペシャルチーム「新馬加牧場ホルスタインズ」も出場!トップアスリートたちがボッチャに挑戦するということで、会場は朝から期待感に包まれました。彼らの投球ひとつひとつに、観客から「おおっ!」と歓声が上がり、スポーツの垣根を越えた交流がたくさん見られました。

パラリンピック5大会出場の加藤正さん

パラアイスホッケー元日本代表で銀メダリストの馬島誠さん

パラアイスホッケー現役日本代表の新津和良さん

全員で作戦を考えます
南信大会には、計20チームが出場。出場チーム一覧を見ながら「今日はどんなチームに会えるだろう」と胸を躍らせていると、目に飛び込んできたのは「御子柴」の文字。
そう、南箕輪村の御子柴地区から、なんと4チームが参戦!地域ぐるみでボッチャを楽しむその姿勢に、改めてこのスポーツの魅力と広がりを感じました。御子柴チームの皆さんは、世代を超えて笑顔で声を掛け合いながらプレーする様子が印象的で、まさに“地域の力”を感じる場面でした。

その中でも特に印象的だったのは、「御子柴の太陽」チームとして出場した小学4年生の男の子です。
チーム名の通り、彼はまるで太陽のように、1球1球を心から楽しみながら投げていました。キラキラな笑顔、投球のたびに見せるワクワクした表情。その姿に、周りの選手や観客も自然と笑顔になり、まるで太陽の引力に引き寄せられるように、彼の周りには楽しい交流の輪が広がっていました。
今は週に1回、公民館での練習を心待ちにしているそうで、「中学生になっても絶対つづけたい!」と力強く話してくれました。この言葉に、ボッチャが世代を超えて愛される理由を改めて感じます。

一方で、「御子柴の宝」チームの85歳の男性も、朗らかな笑顔でこう語ってくれました。
「自分よりかなり年齢が下の子たちと交流できて、はりあいが出るんです」
その言葉通り、投球は年齢を感じさせない正確さと力強さ。ボッチャ以外にもゴルフやウォーキングなど、毎日体を動かしているそうで、「ボッチャはフレイル予防にもなるんですよ」と教えてくれました。
投球が決まるたびに観衆から「お~!!」と歓声が上がり、その存在感はまさに“御子柴の宝”でした。
さらに驚いたのは、南箕輪村御子柴地区には総勢約70名のボッチャ仲間がいるということ!最高齢はなんと98歳。当日はお会いできませんでしたが、チームの皆さんいわく「とっても正確に投球するんですよ。見ていて感心します」とのこと。週に1回、2時間の練習で磨かれたチームワークは、まさに地域の絆そのもの。世代を超えた交流が、ここには確かに息づいていました。
ほかの地区と比べて参加チーム数は少なかったものの、南信大会でも個性あふれる素敵なチームが数多く出場してくれました。

南信大会を制したのは・・・
予選リーグから通じて、レベルの高い試合が多く繰り広げられてきましたが、決勝戦では、伊那市のスポーツ推進委員メンバーにより構成される「伊那スポ推ボッチャい~なちゃん」と、泰阜村社会福祉協議会のメンバーにより構成される「チャンピオンズ」の白熱した戦いとなりました。

決勝戦は「チャンピオンズ」VS「伊那スポ推ボッチャい~なちゃん」
1エンド、2エンドいずれも、ジャックボール間際の大熱戦となった決勝戦。両チーム一歩も譲らず、2エンド終了時のスコアは同点、試合はついにタイブレイクへ突入します。

本大会では、タイブレイクにファイナルショット制度を採用。
両チームから代表者1名が、それぞれのスローイングボックスに入り、1球ずつ投球。ジャックボールにより近い方が勝者となります。
決勝戦にふさわしい緊張感の中、先攻は「伊那スポ推ボッチャい~なちゃん」。
高まる緊張とプレッシャーの中、いつものルーティンで集中力を高め、放たれたボールは見事ジャックボール前にビタづけ。プレッシャーを打ち破る絶妙な一投に、会場から歓声が上がります。

緊張をはねのけ、ジャックボールへビタづけ!
続いて後攻は「チャンピオンズ」。
さらに高まる緊張とプレッシャーの中、負けじと狙いすました投球をします。

1球にすべてが託されます
しかし、ビタづけの相手ボールを剥がすことはできず、タイブレイクの末、見事「伊那スポ推ボッチャい~なちゃん」が優勝を勝ち取りました!
試合後、「伊那スポ推ボッチャい~なちゃん」のキャプテンにお話を聞いてみると、「昨年の県大会で負けてから、どんなに忙しい日でも1日1球は自宅で投球練習をしてきました」と、話してくれました。
何が起こるのがわからないのがボッチャの面白さですが、それと同時に努力は裏切らないということも改めて感じさせてくれる素敵なチームでした。昨年の県大会での雪辱を果たすことができるのか、期待が膨らみます。
南信大会の結果は以下の通りです。勝ち上がった皆さん、おめでとうございます!
第1位:伊那スポ推ボッチャい~なちゃん
第2位:チャンピオンズ
第3位:ゆずおか
第3位:ブッチーズ
3位までの4チームに敗者復活トーナメントを見事勝ち上がった「御子柴の宝」チームを加え、南信からは計5チームが県大会出場権を獲得しました。おめでとうございます!

第1位「伊那スポ推ボッチャい~なちゃん」の皆さん

第2位「チャンピオンズ」の皆さん

第3位「ゆずおか」のみなさん

第3位「ブッチーズ」の皆さん
閉会式では、パラ学の講師のお三方からもお言葉をいただきました。
馬島さん
「県大会狙っていました、、悔しい!!ボッチャでもっと、南信を盛り上げていきましょう!」
新津さん
「勝ちたかったなあ・・・レベルが高くて感動しました!」
加藤さん
「緊張した。その緊張感が楽しいですよね。来年出場出来たら、優勝目指します!」

(左)加藤正さん (中)新津和良さん (右)馬島誠さん
トップアスリートとして世界を舞台に戦ってきた彼らが、ボッチャの魅力に触れ、こうして本気で挑戦している姿は、参加者にとっても大きな刺激になったはずです。競技は違っても、勝負への情熱や挑戦する心は同じ。スポーツが持つ力を改めて感じる瞬間でした。
12月13日、長野県立武道館でついに県の王者を決める熱戦が始まります!冬本番の気候になってきましたが、会場の中は選手たちの集中と情熱で、きっと熱気に包まれることでしょう。どんなドラマが生まれるのか、今からワクワクしますね。
そして、今回惜しくも県大会への切符を逃した皆さん!この経験は、次へのステップです。来年こそは、さらにパワーアップしたプレーで挑戦してください。私たちも、皆さんの再チャレンジを心からお待ちしています。
さらに、応援したい方も大歓迎!観戦に来て、選手たちの真剣勝負を一緒に盛り上げましょう。声援が、きっと選手の力になります。ボッチャの輪は、まだまだ広がっていきます!
余談ですが・・・実は筆者も「チームパラウェーブNAGANO」として交流戦に参加させていただきました!

交流戦に「チームパラウェーブNAGANO」として参加!
何度かボッチャを体験したことはありましたが、改めて感じたのは…本当に難しい!
まず、投げ方ひとつ取っても悩みます。上から投げるか、下から転がすか。力加減はどうする?ジャックボールが今いる位置から見えるかどうかで、狙い方も変わります。あてに行くか、押し出すか、それとも自分のボールを守るか…。
一度に考えることが山ほどあって、頭の中はフル回転。でも、その駆け引きが面白いんです。投げる瞬間の緊張感、そして仲間と声を掛け合う楽しさ。
改めて、ボッチャはシンプルに見えて、戦略性と集中力が問われる奥深いスポーツだと実感。だからこそ、ハマる人が多いんだと身をもって感じました。
南信大会の結果はこちらから
南信大会予選リーグ南信大会トーナメント


