「パラウェーブNAGANOカップ2025」県大会の会場である長野県立武道館から、最後のレポートをお届けします。
それぞれの地区大会から勝ち進んだ計40チームにより、長野県の王者を決める「パラウェーブNAGANOカップ2025」の県大会が開催されました。
県大会優勝チームには、日本最高峰のインクルーシブな大会である、「BOCCIA JAPAN CUP2026(主催:一般社団法人 日本ボッチャ協会)」 の出場権が付与されます。
県大会らしいハイレベルな戦いと、地区を越えた、素敵な交流の様子を本レポートでお届けします。

県内各地から40チームの強豪が集まりました
長野県の王者を決める今大会。スペシャルなゲストチームが2チームも出場し、大会を盛り上げてくれましたので紹介します!
まず1チーム目。
南信大会にも出場し、大いに大会を盛り上げてくれた、3名のパラアスリートからなる「”信州パラアスリートチームー新馬加ホルスタインズー”」チームです。

新津 和良さん
「勝ちたい、負けたくないと思っている時ほど緊張するもの。それは気持ちが強いからだと思います。みんなで戦いましょう!」
と、熱く出場者にエールを送ってくれました。
その新津さんがアイスホッケーを始めるきっかけとなった加藤さんは、パラリンピックに5大会出場された経験のある大ベテラン。

加藤 正さん
「アスリートを引退して長いですが、今日は楽しみつつ、本気で勝ちにいきます!」
と朗らかに語ってくれました。
その加藤さんの後輩、新津さんの先輩にあたる馬島さんは、パラリンピックにて銀メダルを獲得した経験をお持ちです。

馬島 誠さん(右)
「加藤さんと同じく現役は退いていますが、年齢に関わらず楽しめるのがボッチャ。じじいらしく頑張ります!(笑)」
と熱く決意を表明してくれました。
そして2チーム目は・・・。
信州人で知らない人はいないのではないでしょうか?平日のお茶の間をにぎわせてくれている、長野県住みます芸人のこてつ・北村智さん、河合武俊さんと、リポーターの宮代香織さんからなる「ゆうがたGet!every」チームです!

(左)宮代 香織さん (中)北村 智さん (右)河合 武俊さん
「こてつ知ってる人―!」
選手、観客、スタッフ、ほとんどの人から手が挙がりました。さすがの知名度!
「ゆうがたGet!everyチーム応援してる人―!」
・・・少ない!!プロの芸人さんの見事なズッコケに、会場も笑いに包まれました。
「練習してたんですけど、僕たちセンスがあると思うんです!ジャックボールに近づくんです!」
「優勝トロフィーを受け取る練習をしています。ガッツリ優勝狙ってます!楽しんでいきましょう!」
やる気と気合に満ちた言葉に、会場のボルテージも一層上がりました。

決勝トーナメント進出を目指し、気合も十分
中信大会を盛り上げてくれた安曇野市立明南小学校の皆さんによる、力強い選手宣誓をいただきました。
「ボッチャは最高のスポーツです」
「感謝やリスペクトの気持ちを忘れず、友情の輪を広げます」
開会式から盛り上がりを見せ、各チームのボルテージが高まります。

選手宣誓をしてくれた明南小学校の皆さん
「開始前から熱気満々ですね!期待しています。自分の可能性、チームの可能性を信じて頑張って!」
試合の進行や実況は、日本財団パラスポーツサポートセンターから、伊吹祐輔さんをお迎えしました。愛称は“ぶっきー”。
全体を鼓舞する実況、選手や観客へのあたたかな声がけに、気持ちが前向きになった皆さんも多いのではないでしょうか。

MCを務めてくれた”ぶっきー”(日本財団パラスポーツサポートセンター伊吹祐輔さん)
さすが県大会。予選リーグからハイレベルな試合が続きます。
各コートでは、勝利を喜ぶ選手の笑顔、惜敗を悔しがる姿、健闘をたたえ合う場面が見られました。
また、試合の合間には選手同士が自然と声を掛け合い、交流を深める姿も多く、競技としての真剣さと、人と人とをつなぐボッチャならではの温かな雰囲気が、会場全体に広がっていました。

強豪同士がぶつかり合います
県立武道館の観客席をまわり、試合を観戦していると、見覚えのある皆さんをお見掛けしました。
そう語ってくれたのは、中信大会優勝、安曇野市立明南小学校OBの「チーム雷鳥」の皆さんです。
その恩師であるT先生も、「明南小学校PTC」として県大会に出場されています。先生からもお話を伺うことができました。
聞くところによると、以前はそれぞれが「自分のボールを当てること」ばかり考えていたチームだったそう。
それがこの1年で『チームのために声を掛け合い、狙って当てて、勝ちに行こう』という姿勢に変わったそうです。
こうした大会が、その成長を後押ししていると話してくださいました。
試合を見ていても、確かにチームの中でたくさん話して、時間も有効に使い、試合を運んでいる姿勢が伺えます。
自分の一球だけではなくて、チームメイトの分の一球も大切にしているのだなということがよく伝わってきました。
決勝トーナメントまでその駒を進めましたが、タイブレイクの末敗退。でもきっと、またこの大会が3人の絆を強くしてくれたと信じています。

ゲストチームと「チーム雷鳥」の皆さん
気合い十分に話してくれたのは、親子同士の仲良しチームで参加をして下さった「Nakagmmy’s」の皆さん。
なんとユニフォームとして着用するトレーナーを作成し、そろえての参加。
予選リーグにてパラアスリートチーム、「”信州パラアスリートチームー新馬加ホルスタインズー”」にあたり、馬島さんいわくジャックボール間際の「ベタベタ」な接戦を繰り広げました。
決勝トーナメント2回戦で惜しくも敗れましたが、来年はさらなる快進撃をお待ちしています!!

残りの玉数も確認しながら作戦を組み立てます(「Nakagmmy’s」の皆さん)
どこかやり切った表情で爽やかにお話ししてくれたのは、南信大会では圧倒的な強さを見せてくれた「ボッチャいーなちゃん」の皆さん。
試合中の真剣なまなざしと仲間を鼓舞する力強い掛け声に引き寄せられて、そして気さくで明るい皆さんのお人柄に南信大会から虜になった人、筆者だけではないと思います。
決勝トーナメント1回戦で「ゆうがたGet!every」チームにタイブレイクの末、敗戦となりましたが、さらに強くなって、来年ではぜひこの雪辱を晴らしていただければと思います。

「ボッチャいーなちゃん」勝の皆さん。勝敗に関わらず相手チームを讃え合う姿が印象的でした
決勝戦はいずれも東信地区の代表として勝ち上がってきた「iSAMO(イサモ)」と「右耳の2mm右にミニニキビ」の対決となりました。

仲良し3人組の「iSAMO」の皆さん
御代田町立御代田北小学校の4年生2人と6年生で構成されたチーム「iSAMO」。
業間休みや、放課後の時間を使って毎日練習をしているそうです。喧嘩もたまにするけれど・・・そんな毎日の積み重ねが、この県大会の決勝戦まで駒を進めるまでに彼女たちを強くしてくれているんですね。
対する「右耳の2mm右にミニニキビ」。このレポートを読んでくださっている皆さん、ぜひこのチーム名を声に出してみてください。筆者は言えませんでした・・・(笑)
お母さまと2人の娘さんの家族チームです。「東京行きが決まれば、家族旅行ですね!」とぶっきーに鼓舞されて、より一層気合いが入った様子。

「右耳の2mm右にミニニキビ」は家族ならではの連携を活かし優勝を目指します
こちらも力強い意気込み。
1エンド目、先攻の「iSAMO」は、ジャックボールをコート左側におき、自分たちからより近い位置での勝負を選びました。「右耳の2mm右にミニニキビ」としては遠い位置。
序盤から審判による計測が入るなど、目視ではなかなか判定が難しい接戦となりました。しかし「iSAMO」の3投目。ジャックボールにぴったりとつけてくる投球にはずみをつけ、次々にジャックボールギリギリの投球を披露。
1エンド目は「iSAMO」が3点を先取します。

1エンド目は「iSAMO」が勝ち取ります
そして2エンド目。今度は「右耳の2mm右にミニニキビ」がジャックボールをコート右側におきます。
すごいのが、こんなにサイドラインぎりぎりの勝負をしているのに、なかなかアウトにならないんです。
ボッチャはジャックボールをコートの中央部に置く方が、安全に試合を勧められますが、ジャックボールからお互いのチームにプレッシャーをかけあうのも、県大会の決勝戦らしく、ハイレベルだなと感心しました。

2エンド目は逆サイドでの攻防が繰り広げられました
「iSAMO」は2球、ジャックボールの寸前に投球し、壁を作ります。「右耳の2mm右にミニニキビ」からすると、ジャックボールが見えづらく、その壁を崩すのが難しい展開になりました。
しかし押し出されてゲーム内で優位に立ったのは青いカラーボール。「右耳の2mm右にミニニキビ」です。
2エンド目では、「右耳の2mm右にミニニキビ」が優位に進めましたが、最後は勝ちにこだわった「iSAMO」チームがノースローを選択し、勝負は決しました。
これにより県大会ベスト4は以下のとおりとなりました。
第1位:iSAMO
第2位:右耳の2mm右にミニニキビ
第3位:ブラックサンダー
第3位:MKB

第1位「iSAMO」

第2位「右耳の2mm右にミニニキビ」

第3位「ブラックサンダー」

第3位「MKB」
実は3位の「MKB」と「ブラックサンダー」は優勝した「iSAMO」と同じく御代田北小学校のメンバーで構成されるチームで、なんとベスト4に御代田北小から3チームも入るという驚きの結果となりました。
さすが毎日みんなで練習している成果でしょうか。みんなで入賞の喜びをかみしめる姿がとてもきらきらしていて、非常に印象的でした。
今大会、御代田北小学校や明南小学校をはじめ、小学生、中学生、さらには高校生と、学生の皆さんの活躍がたくさん見れた大会となりました。
さらに学生の皆さんが、世代や背景を越えて、たくさんの方たちとボッチャを通じて楽しそうに交流している姿がたくさん見られました。そんな皆さんの姿から、これからもっとボッチャを通じた交流が盛んになっていけばいいなと願いがより一層強くなりました。
見事優勝した「iSAMO」の皆さんには、「BOCCIA JAPAN CUP2026」への出場権が与えられます。全国から強豪が集うハイレベルな大会となることが予想されますが、皆さんの健闘を心より応援しています。
本番に向けて、また小学校をあげて、お互いが切磋琢磨し、学校としてのレベルも更に上げていってください。熱い戦い、期待しています!
閉会式では、入賞チームだけでなく、出場した全チームの健闘を称え、あたたかい拍手や歓声に包まれました。

閉会式の様子
ゲストとして参加してくださった皆さんからもそれぞれコメントをいただきました。

信州パラアスリートチーム「新馬加ホルスタインズ」の皆さん

「ゆうがたGet!チーム」の皆さん。想像を超える快進撃で会場を沸かせてくれました
世界を舞台に闘ってきたアスリートの皆さんや、毎日長野県のお茶の間を明るくしてくれる皆さんが緊張されるほどハイレベルな大会なんだと、お話を聞いていて嬉しくなりました。
「パラウェーブNAGANOカップ2025」は、過去最大数となる参加チーム数で開催することができました。
ご参加いただいた皆さん、本当にありがとうございました。
そして、このレポートの作成にあたり、快くお話を聞かせてくださった皆さん、ありがとうございました。
また、審判としてご協力いただいた皆さん、スムーズな競技運営にご協力いただきありがとうございました。
引き続き各コミュニティでボッチャを通じた交流の輪を広げていっていただけると嬉しいです。
各大会、随所に見られた、チーム、性別や世代、障がいを越えた交流が、またさらに地域を越えて、この長野県内に息づいていくことを願っています。
県大会予選リーグ県大会トーナメント



