ボッチャ競技大会「パラウェーブNAGANOカップ2024」東信大会レポート

はじめに

今回の決戦の舞台は、パラウェーブNAGANOカップ県大会の会場でもある長野県立武道館に移ります。県の武道振興の中核的拠点とともに多目的に利用できる施設として令和元年に開館しました。多様な方を優しく受け入れ、県民の誇りとなる施設です。

東信大会は、下は9歳から上は87歳までの計243名、54チームが参加します。他3地区は21~24チームの参加ですので、東信のボッチャ熱は県内で突出(とっしゅつ)しています。また、昨年も48チームの参加がありましたので、一過性(いっかせい)のブームではなさそうです。

今回は、県内ボッチャの聖地として認知されつつあるここ長野県立武道館において、東信大会の様子を会場設営の視点を入れながらレポートさせていただきます。

長野県立武道館(佐久市)

 

大会前日 14時 会場設営開始
 東信大会は、他の会場(6コート)に比べ多くのチームが参加するため、10コート分必要になります。
ボッチャコートを作る場合、バトミントンコートを活用します。バトミントンのバックラインがボッチャのエンドラインとほぼ同じ長さであり、サイドラインもバトミントンコートを準用できます。多くの体育館ではバトミントンコートは既に作られているため、コツさえつかめば、比較的短時間でボッチャのコートは作れます。
 しかしながら、ここ武道館はそれを許してくれません。写真をご覧のとおりラインが1本も引いていないのです。そのため、巻き尺を縦に横に駆使(くし)し、さらに秘密アイテムの「糸」を張りめぐらせながらコートを作ってきます。
   

 コートがほぼできたところで、養生シートの上にイスや机を並べ、整えていきます。

  
大会前日 19時 会場設営終了
 総勢7名のスタッフで5時間かかりました。明日は競技開始がいつもより30分早いのですが、ここまで準備しておけば安心です。

計10コートの設営が完了

大会当日 8時15分 審判員受付
 8時15分から審判員の受付を開始します。
 本日は参加チームが非常に多いため、25人の審判員の方に集まっていただきました。審判員については、大会開催前に募集しますが、それだけではすべて集まりません。審判の方が不足する場合は、長野県ボッチャ協会を通じ、個別にお願いしている状況です。長野県ボッチャ協会様、いつもありがとうございます。
8時30分 選手受付
 本日は、多くの方にボッチャを楽しんでいただくため、全体にスケジュールを約30分前倒し、選手受付を早めております。武道館はロビーが広く、多くの選手がここで待ち合わせをすることができます。
 インフルエンザの流行などで、当日の欠場を心配していましたが、申し込みいただいた全54チームの受付が完了いました。恐るべき東信のボッチャ熱。本日も好試合が期待できそうです。

チーム受付時のロビーの様子

9時 キャプテンミーティング
 54チームのキャプテンが本部前に集まっていただき、競技の進め方や会場のルールについて主催者から確認をさせていただいております。今までの会場もそうですが、お帰りになった後、観客席を見回ってもゴミ一つ落ちていません。ボッチャを愛する皆さんが素晴らしいのか、県民性が素晴らしいのか。恐らくその両方でしょう。

キャプテンミーティングの様子。1日の流れや注意事項などを共有します。

9時15分 開会式
 主催者から、試合に向けての留意事項について会場のみなさんにお伝えしています。
 最近は試合のレベルが上がり、県大会優勝を目指して白熱する試合も多くみられるようになってきました。勝利を目指すことも大切ですが、その一方、対戦相手や審判員に対するリスペクトも常に持つようお願いしております。
 私どもはスポーツを通じた交流の場を提供することが一番の目的です。引き続き皆さまの理解のもと大会を運営してまいりますので、この点についてぜひご理解ください。

計54チーム、243名の方々にご参加いただきました。

9時35分 予選リーグ 競技開始

 東信大会がスタートしました。14グループで予選リーグを争います。参加いただいた皆さんに満足していただくため、リーグ戦では総当たりで3試合以上ボッチャを楽しんでいただきます。参加チームが多く、2位同士で争う県大会進出トーナメントは実施できないため、グループ内の1チームしか県大会へ出場できません。激戦を勝ち抜く14チームは一体どこになるでしょう。

東信大会は参加数が多いだけではなく、ボッチャ熱に比例して、競技レベルも高い傾向にあります。その証拠にパラウェーブNAGANOカップの県チャンピオンは、R4、R5とも東信大会出身のチームです。また、他の地区大会に比べ、ボッチャに特化したお揃(そろ)いのポロシャツでプレーするチームも多く、ボッチャに対する深い愛情が伝わってきます。

今年の東信大会は、本当に素晴らしい試合進行になりました。10コートあるにも関わらず、一斉にスタートし余裕をもって時間内(20分)に終了。少し遅れても次の時間帯で回復する。スムーズな競技運営に協力いただいている選手・審判の方々、本当にありがとうございます。

   

12時35分 予選リーグ結果発表

 リーグ戦の結果発表です。県大会に進出する14チームの発表です。 今回は、中信大会をさらに上回る歴史的な接戦がありました。以下の成績表をご覧ください。

 第3グループの試合結果です。「SAKURABOソルトリバーズEX」、「佐~久るボッチャA」、「つよいぷにを」の3チームが勝点「6」で並び、1点の得失点差で「つよいぷにを」が惜しくも脱落。残り2チームは得失点・総得点ともに同点。直接対決の結果で「SAKURABOソルトリバーズEX」が1位になりました。「佐~久るボッチャA」は惜しくも敗れましたが、姉妹チームの「佐~久るボッチャB」及び「佐~久るボッチャC」はともに県大会進出です。

13時05分 決勝トーナメント・交流戦 競技開始
 各コートで熱戦再開です。
 東信大会のチャンピオンを決める県大会出場14チームによる「トーナメント戦」と惜しくも予選で敗退したチームによる「交流戦」です。
主催者としては、この「交流戦」こそ、勝敗にこだわらず、スポーツを通じた共生社会の実現を目指すパラウェーブNAGANOプロジェクトの象徴と考えております。本日は、多くのチームに参加いただきましたので、残念ながら「交流戦」は各チーム1試合だけとなりましたが、主催者として、みんなで楽しめるこの時間をもっと提供したいと考えています。
14時10分 決勝トーナメント決勝戦
 第1コートで東信大会の優勝者を決定する「JBP 対 JHM」と対戦が始まりました。
 決勝進出の2チームは、同じ職場の仲間でいつもボッチャを楽しんでいるとのことです。コートの周りには本日最後の試合を見ようと、たくさんの観客が取り囲んでいます。また、県ボッチャ協会笠原氏の実況付きです。
 スキのないショットを繰り出し、終始安定した試合運びで現県チャンピオンの「JBP」が勝利をおさめました。また、東信大会でも昨年に引続き優勝です。12月14日に開催される県大会では、どのチームが「JBP」を倒すのか、がぜん注目が集まります。
 東信大会からは14チームが県大会へ出場します。

優勝「JBP」の皆さん

準優勝「JHM」の皆さん

15時30分 会場撤収作業
 閉会式後に会場の撤収を行います。床に傷や汚れが残らないように、ラインテープも慎重にゆっくり剥がします。まだまだ開館間もないとてもきれいな施設です。次の方に気持ちよく使っていただけるよう、心を込めてモップ掛けもします。
 来週以降の大会に困らないよう順序よく荷物をまとめます。総勢20名のスタッフで約60分。作業終了です。
おわりに
 この時期の佐久らしい晴天のもとボッチャ東信大会が終了しました。暖房もほどよく効いており、快適な環境の中、試合をすることができました。
県大会への出場権を獲得されたチームの皆さん、おめでとうございます。また、惜しくも県大会に出場を逃したみなさんもお疲れでした。ぜひ、地元にもどり、色々な方と「ボッチャ」を通じた交流を引き続き広めてください。
 最後に審判の皆さん、スムーズな競技運営にご協力いただき本当にありがとうございました。
 令和6年度パラウェーブNAGANOカップは、11月30日(土)に開催される南信大会(駒ヶ根市)をもって地区大会を終了し、その2週間後、再びこの会場に戻り、令和6年度長野県チャンピオンを決定します。