ボッチャ競技大会「パラウェーブNAGANOカップ2023」県大会【レポート】

ボッチャ競技大会「パラウェーブNAGANOカップ2023」県大会【レポート】

12月16日(土曜日)に佐久市の長野県立武道館にて「パラウェーブNAGANOカップ2023」の県大会が開催され、各地区大会を勝ち抜いた33チームとゲストチームの計34チームが参加しました。
本大会に優勝したチームが獲得できる「ボッチャ東京カップ2024」への出場権をかけ、大会開催日は最高気温が18℃という12月とは思えない気温でしたが、それに負けないくらいの熱い試合が繰り広げられました。

会場の長野県立武道館主道場

豪華ゲストチームの参加

今年の県大会にも3名の豪華メンバーで結成されたゲストチームにご参加いただき、大会を盛り上げていただきました。

土橋宏由樹さん

サッカーJリーグの松本山雅FC、長野パルセイロ両クラブに所属し、キャプテンを務める。
現在はフットサルFリーグボアルース長野フットサルクラブのGM(ゼネラルマネージャー)も務める。

土橋さん

根木慎志さん

シドニーパラリンピックに車いすバスケットボール日本代表主将として出場。
東京2020パラリンピックではゲスト解説として連日出演。

根木さん

藤澤潔さん

長野市出身。東京2020パラリンピックに車いすバスケットボール日本代表として出場し、日本男子史上初となる銀メダル獲得に貢献。
開会式では「いつも通りの自分を出すために、自分に集中することが大事。私たちも負けるつもりはない。」とコメント。

藤澤さん

また、日本財団パラスポーツサポートセンターから、伊吹祐輔さんにお越しいただき、試合の実況MCとして各試合を分かりやすく解説していただきました。

MCの伊吹さん

予選リーグから緊張感のある試合

予選リーグは全34チームが9つのグループに分かれて行われ、決勝トーナメントには各グループの1位と、2位チームの中で成績上位7チームが進出するという条件でした。
グループで2位のチーム同士は、決勝トーナメント進出に得失点差や総得点数まで影響する可能性があったこともあり、予選リーグから緊張感のある試合が行われていました。
予選リーグからは、ゲストチームの1試合目の様子をお届けします。

ゲストチーム(赤) vs スカボロフェアー(青)

初戦ということもあり、お互いに緊張の面持ちの中始まった第1エンドは、後攻で青球の「スカボロフェアー」が自チームの球を当てて「ゲストチーム」の球を遠ざけながら、投げた球をジャックボールに近づける投球をみせ、1点を先取。

第2エンドでは、「ゲストチーム」がジャックボール付近に置かれた「スカボロフェアー」の球を勢いのある球投ではじき出そうとするも、少しのズレで後逸してしまい、最後まで「スカボロフェアー」の青球をはじき出すことができず。

その後「スカボロフェアー」が盤石な投球をみせ、このエンドは一挙5点を獲得。合計6-0で「スカボロフェアー」が勝利した。週に2回ほど集まって練習しているという「スカボロフェアー」が練習の成果を見せる結果となりました。

ゲストチームvsスカボロフェアーの試合の様子

その後、「ゲストチーム」は予選リーグを1引分け2敗という結果に。元々、ゲストチームは結果にかかわらず決勝トーナメントに進めない規則だったものの、各地区を勝ち抜いたチームのレベルの高さにゲストチームは圧倒された様子でした。

白熱の決勝戦

午後は、各リーグ戦を勝ち抜いたチームによる決勝トーナメントと、希望するチーム同士による交流戦が行われました。

地区大会を勝ち抜いてきたチームが集まる県大会ということで、観戦前はシリアスな雰囲気になるのかと思っていましたが、いいショットには敵味方関係なく拍手や声援が送られるなど、心地の良い雰囲気の中で試合が行われていきました。

また、各地区優勝の4チームのうち、決勝トーナメントに進出したのは2チームのみというところから、予選リーグから試合の熱戦ぶりが伝わってきました。

準決勝からは持ち時間制が採用

決勝の対戦カードは、中信大会第3位の「温泉同好会」(赤)と、東信大会を優勝で勝ち上がった「JBP」(青)というカードに。

決勝戦の様子

第1エンドの先行は「温泉同好会」。コート左奥側にジャックボールを投げた後はお互いにジャックボールへ近づける投球を続けていく中、「温泉同好会」の3球目がジャックボールにピタリと寄せる好投球となり、「JBP」は最後の6球目まで追い詰められます。

しかし、「JBP」の6球目は、「温泉同好会」の赤球とジャックボールの間に当ててねじ込むような形となるビッグショットをみせ、そのまま「JBP」が1点を先取しました。

第1エンド
JBPのラストショットが決まり、作戦会議を行う温泉同好会

第2エンドは、青球の「JBP」がジャックボールをコートの右端手前付近に投球し、1球目からジャックボールの手前にピタリとつける好投球。

対する「温泉同好会」は作戦会議を行い、「JBP」の青球をはじきだす強めの投球(ヒット)を選択します。

1点ビハインドという緊張感の中で力強い投球とコントロールの両立という高度な投球が要求される中、「温泉同好会」の放った1球目と2球目は惜しくもボールに当てることができません。

そのまま投球を続けていき、5球目に青球に当てることに成功しますが、当たり方が悪く、「温泉同好会」の赤玉がそのままコート外に出て行ってしまいます。

「温泉同好会」は最後の6投目も後逸していき、最後まで青球をはじき出すことが叶いませんでした。

「JBP」は、1球目がジャックボールに最も近い状態で残っているため、2球目以降を行わなくとも優勝が決まる状況でしたが、最後まで投げぬくことを選択し、このエンド5点を取って合計6対0で県大会優勝を決めました。

第2エンド
JBPのファーストボールを崩しにかかかる温泉同好会

試合後、閉会式のインタビューでは、「(第2エンド途中で)投球をやめたら、白けてしまうと思い、投球ミスで負けるリスクもあったが、投げ続けることを選択した」と、プレーの意図を話しました。
また、ボッチャ東京カップへの意気込みを問われた際には、「ここにいるチーム、県の代表として頑張っていきたい」と答えてくれました。

優勝したIBPのメンバー

〇おわりに
閉会式でゲストチームの土橋さんから「今日一日を通して、笑顔があふれる大会に感動した。これからもみんなでスポーツやボッチャを楽しむことで、人生を豊かにしていければ。」との言葉がありましたが、各地区大会から県大会をとおして、性別や年齢、障がいの有無などにかかわることなく、多くの選手・審判員の方のご参加と交流がありました。

多くの方々にご参加いただきありがとうございました。

県大会の結果はこちら

県大会決勝トーナメント

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県大会予選リーグ

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【本大会は、スポーツ振興くじ助成金を受けて開催されています】