ボッチャ競技大会「パラウェーブNAGANOカップ2025」東信大会レポート

地区大会は3つ目の東信大会に移ります。
東信地区は何といってもボッチャ熱が県内で最も盛んな地域であり、今回の出場チームが過去最多の61チーム。
担当が何とか工夫して、全ての参加を受け入れられるように調整しました。
会場はおなじみとなった長野県立武道館。約270人の開会式は迫力を感じます。

開会式での集合写真

波乱の予選リーグ

予選リーグは16グループに分かれ、県大会出場枠は16。予選リーグ1位のみが通過できる狭き門です。
東信地区は参加チームが多いだけでなく、コロナ禍で県大会ができなかった年を除き、4大会全てで県大会優勝チーム輩出しているレベルの高い地区でもあります。
今大会も3つの優勝経験チームが参加しましたが、まさかの展開となります。


まずは3年前のチャンピオン「空」。
初戦を順調に勝利したものの、2戦目は佐久穂町のクラブチーム「ちーむさくほgrandma+1」に、
3戦目は東御市のシニアチーム「滋野フレンド」に連続引分けで勝点を伸ばしきれません。
長野市の「TKG」が「空」には敗れたものの、2勝して「ほぼ初心者」ながら1位となり県大会出場権を獲得します。
「空」は昨年も県大会ベスト4と安定した強さを見せており、今回も負けはしなかったものの敗退となります。

「空」vs「ち~むさくほgrandma+1」


続いて2年前の県大会王者「JBP」。
東信大会2連覇中の強豪もこの日は何かが噛み合わなかった様子。
2戦目の「ちーむさくほgrandpa+1」戦では、チームの強みであったヒットがことごとく決まらず敗戦。
2勝はしたものの3戦全勝とした「ちーむさくほgrandpa+1」の後塵を拝して地区大会敗退となります。

「JBP」は「ち~むさくほgrandpa+1」のロングボールに対応できず敗戦


最後はディフェンディングチャンピオン「佐~久るボッチャB」。
1戦目は引分けスタートとなりますが、2戦目を快勝し1勝1分で3戦目の相手は御代田北小学校4年生で構成する「ブラックサンダー」。こちらも昨年度の県大会でベスト8に入賞したメンバーもいる強豪です。
どちらも勝てば1位、引分けの場合は別チームに1位を譲るという必勝の状況で試合を迎えます。
第1エンドは「ブラックサンダー」が2点先取。「佐~久るボッチャB」は逆転をかけて第2エンドをロングボールで進めます。
思惑どおり1点の状態で「佐~久ボッチャB」の3球を残す状態まで持ち込みますが、同点の1球が決められず1−2で敗戦。
「佐~久ボッチャB」もここで敗退となりました。

「佐~久るボッチャ」vs「ブラックサンダー」

県大会優勝経験チームが全て予選リーグ敗退する波乱の展開となり、ボッチャの「何かが起こる」面白さを感じます。

決勝トーナメント

決勝トーナメントは既に県大会出場を決めた16チームで行われ。1回戦では共に県大会優勝経験チームから勝利した「ちーむさくほgrandpa+1」と「ブラックサンダー」が対戦。両エンドロングボールでの攻防となる中、第1エンドで3点先取した「ブラックサンダー」がリードを守りきって3-2で勝利します。

「ち~むさくほgrandpa+1」vs「ブラックサンダー」は遠距離戦となりました


「ブラックサンダー」の準々決勝の相手は東御市のメンズシニアで構成する「チーム八反田」。
東御市は県内におけるボッチャ普及のパイオニアの地域であり、2年前から通年のリーグ戦が開催されています。
「ブラックサンダー」が3点先取して優位かと思われましたが、「チーム八反田」が3点取り返しタイブレークへ。
タイブレーク後攻の「チーム八反田」が寄せ切って準決勝に駒を進めました。
今大会は「チーム八反田」以外に「ミマキ電子部品(株)ボッチャ同好会」「チームサブ&トモ」「ホット金井クラブ」「大石ボッチャクラブ」と東御市の5チームが県大会を決め、王国の強さを証明しました。

「チーム八反田」vs「ブラックサンダー」タイブレークは先行の「ブラックサンダー」が寄せきれず、この後「チーム八反田」がしっかり寄せて勝利

「チーム八反田」は準決勝で軽井沢町塩沢地区のシニアで構成する「チームSVブルー」に敗れ第3位入賞となりました。


決勝は「チームSVブルー」と御代田町の家族チームで大会の常連でもある「凛」のカードに。
先攻の「凛」は9m近いロングでの勝負を仕掛け、1球目をしっかり寄せて優位に立ちます。

「凛」は第1エンド1球目で「ビッタビタ」のアプローチを投じて優位に立ちます

崩しにかかる「チームSVブルー」でしたが3球目までにターンオーバーにできず、4球目以降は最小失点にするべくジャックボール手前にボールを集めます。

作戦会議を経て「守り」に入る選択をする「チームSVブルー」

上手く壁を作ったことで「凛」もリスク回避をせざるを得なくなり、第1エンドは「凛」が1点先取となります。
後攻の「チームSVブルー」は中盤でのゲームを選択しますが、アプローチが上手く行かず負けている状況で最後の1級を迎えます。外せば負けが決まる状況の1球はジャックボールへのヒットとなり、結果的に「チームSVブルー」が2点の状況と逆転します。

「チームSVブルー」は最終6球目でターンオーバーに成功

ジャックボールの前後を「チームSVブルー」のボールが挟んでおり「凛」としてはかなり難しい状況となりますが、直後の投球で角度のある第1ボックスの選手がジャックボールへのヒットを成功させ、味方のコースを作るスーパーショットに。

「凛」はこの密集からジャックボールへのヒットを見事成功

次のアプローチを完璧に決めきり、あっさりひっくり返した「凛」が快勝で東信大会を制ししました。

「凛」は前の投球でジャックボールへのコースが空いたところに1球でアプローチを成功


県大会にはこの他に「チームSVブルー」の奥様チーム「チームSVレッド」、御代田北小学校のチーム「iSAMO」「MKB」等が進出。
県大会優勝経験チームが敗退した一方で、日常的にボッチャに取り組んでいるチームが上位進出を果たしていました。
その中において異彩を放っていたのが「Nakagmmy’s」佐久市の仲良し小学生の同級生3人とそれぞれ父親という珍しいチーム構成に加え、「ボッチャは大会前に1回だけ練習しただけ」という初出場チームが堂々のベスト8で県大会に進出。
予選リーグは各エンドを「子ども3人」「父親3人」のセットで交代して戦ったものの、「父親3人」では勝てなかったようで、決勝トーナメントは「子ども3人」だけで挑んでいました。
「子ども3人」の試合を見守っていた父親の1人は、チーム戦の戦術の面白さに加えて、「試合ごとにチームでのコミュニケーションを増えていき、子どもの成長を感じた」とボッチャの持つ力を実感していましたようでした。

「Nakagmmy’s」の子ども3人組

【県大会出場権獲得チーム(16チーム)】
凛、チームSVブルー、ミマキ電子部品(株)ボッチャ同好会、チーム八反田、Nakagmmy’s、
チームサブ & トモ、MKB、ブラックサンダー、うさたまラビッツ、iSAMO、
右耳の2mm右にミニニキビ、チームSVレッド、TKG、ホット金井クラブ、
大石ボッチャクラブ、ち~むさくほgrandpa+1
おまけ~チームピックアップ~

最後に東信大会を盛り上げたチームをいくつかご紹介。

佐総ボッチャ

佐久市にある佐久平総合技術高校の職員チーム。3チームでエントリーいただき2回目の出場。

かわいいイラストの特徴的なユニフォームが印象的でした。

生徒さんは「声をかけたけど出てこなかった」とのことでしたが、次回は生徒さん含めての大量出場をお待ちしております。

上田千曲高校生活福祉科
上田市の高校で生活福祉科は地域の福祉を担うスペシャリストを養成しています。
大会には既に進路が決まっているという3年生が2チーム参加。
ボッチャは初めてということでしたが、明るさで試合を盛り上げてくれました。
参加した1人は「ボッチャは就職先の介護施設でも使えそう」とうことで、今後、県内でボッチャを広めていく1人としての活動を期待します。
「ミマキ電子部品(株)ボッチャ同好会」
創部2年目で見事3位入賞。こちらもユニフォームが印象的です。
地域でボッチャをやっていた社員の1人が会社でボッチャの話をしたことが創部のきっかけとのこと。
定期的に練習を重ねており、県大会での躍進も期待されます。

過去最多の参加で白熱した熱戦にも関わらず、予定通りのタイムスケジュールで終了しました。これも参加チームの「レベルが高い」結果と感じる東信大会でした。

 

東信大会の結果はこちらから

東信大会予選リーグ
東信大会トーナメント
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