近年は毎年のように酷暑に苦しめられる長野県も10月になってすっかり空気も入れ替わり、「スポーツの秋」にふさわしい陽気になりました。
今回は「パラウェーブ広場」として松川村のイベントに出展してきた様子をご紹介します。

県民の方に気軽にパラスポーツ体験をしてもうらことを目的に、今回のようなイベントや、ショッピングモール、プロスポーツの試合会場等に出張しています。
過去のイベントの様子はこちら→イオンモール松本、信州ブレイブウォリアーズ
北安曇郡松川村は安曇野市と大町市の間に位置し、北アルプスを望むロケーションに美しい河川や田園風景が広がる村です。
今回はお邪魔したのは、村の公民館主催の「リンリンスポーツフェスティバル2025」というイベントです。
今年が3回目の開催で、『する!みる!たのしむ!!』をスローガンに気軽に参加でき、交流を深めながらスポーツを楽しむことを目的としています。
地域のクラブチームを始めとしたスポーツ団体が、それぞれの競技を担当する形で、10を超える体験ブースが出展していました。
ちなみに、「リンリン」という名称は松川村の大きな特徴の一つである「鈴虫」が由来とのこと。
前回の実績で約2000人が参加しており、人口1万人弱の村において相当なビッグイベントになっています。
パラウェーブNAGANOのブースでは恒例の「ボッチャ」に加え、今回初めての取組として車いすでの「スラローム」のタイムアタックを体験してもらいました。

講師の加藤さん
「スラローム」とは、2028年に長野県で開催される全国障害者スポーツ大会(全障スポ)の陸上競技の種目の一つで、車いすを使用します。
高さ40cmの白と赤のピンがコース上に置かれ、①白ピン2本横置きの箇所は「前向きで通過」②赤ピン2本横置きの箇所は「後ろ向きで通過」③白ピン1本置きの箇所は「1周して通過」が基本的なルールで、チェアワークを試される種目です。

白2本は前向き通過

白1本は1周

赤2本は後ろ向きので通過
車いすは今年2月に日本財団パラスポーツサポートセンターから贈呈いただいた、スポーツアクティビティ用の「パラサポ!ミライ!」を使用しました。
体験では、パラ学でおなじみの“かとちゃん”こと加藤さんに講師を務めていただきました。
競技用車いすに乗れることはまだまだ機会が少ないこともあり、小さい子どもからお年寄りまで興味津々。
初めての感覚に最初は戸惑いながらも、多くの方が競技用車いすの面白さを実感してくれたようでした。
中にはすっかりはまってしまい、計10回もチャレンジした小学生もいたほど。

慣れてくると小学生でも迫力のあるチェアワークに

子どもたちに大人気で常に行列が途切れませんでした
パラスポーツの中でも抜群の認知度を誇るボッチャも相変わらずの人気で、友達、親子、兄弟など、数々の白熱の勝負が繰り広げられて大盛り上がりでした。

親子・兄弟でボッチャ対決
パラウェーブ広場の隣では、ウエイトリフティングの体験ブースも設けられました。
2028年に開催される信州やまなみ国スポでは、村の隣の安曇野市穂高でウエイトリフティング競技が行われるため、その周知も兼ねた出展でしたが、併せてパラリンピックの競技でもある「パラ・パワーリフティング」の体験も実施していただきました。
講師はこちらもパラ学でおなじみの“まこっちゃん”こと馬島さん。

講師の馬島さん
馬島さんは開会式でウェイトリフティングの選手とともにデモンストレーションも行い、「ちゃんとやったのは4年ぶり」と言うものの、100kgの大台を綺麗に挙げて会場を沸かせました。

北アルプスを望む絶好のロケーションでのデモンストレーション

100kgの大台を一発で綺麗に挙げました

2025年国民スポーツ大会県代表の横山幸次郎選手(県ウェイトリフティング協会)による「スナッチ」のデモンストレーション

同じく県代表の川口祐太朗選手(松商学園)による「クリーンアンドジャーク」のデモンストレーション
イベントはたくさんのキッチンカーの出店もあり、お祭りのようで気軽に参加できる雰囲気が印象的でした。
保育園の子ども連れの親子も多く、将来やりたいスポーツを見つける機会にもなっているようです。
裏を返せば、クラブとしては勧誘の場所でもあるため、「どうやったら楽しく体験してもらえるか」という工夫がそれぞれの体験ブースから感じとることができました。
県内の中学校では部活動の地域移行が進められており、人口減少下においてスポーツ活動を維持していくためには地域住民の協力が不可欠です。
リンリンスポーツフェスティバルを通じて、たくさんの村民のスポーツ意識が向上したのではないでしょうか。

10以上の飲食ブースが出店していました

バレーボール体験は的入れのゲーム形式で工夫

サッカーはウォーキングサッカーにすることで誰でも楽しめるように

野球はおもちゃのテニスラケットを使って未就学児も楽しめるように工夫

思いっきりぶつけ合えるバブルボール

ボッチャと並ぶユニバーサルスポーツのモルック


