ボッチャ東京カップ2024レポート【前編】
パラウェーブNAGANOカップの激闘から約4カ月。
ボッチャ東京カップ2024の出場権を獲得した「JBP」に密着し、皆さんにボッチャ東京カップ(3月9日、10日開催)の激闘の様子とその魅力をお届けします。
会場は東京都武蔵野市総合体育館。大きな体育館というわけではありませんが、古くから市としてボッチャを応援しており、過去の東京カップの多くがこの会場で開催されている「聖地」です。
大会は様々な構成の40チームが5チームごとに分かれ、総当たりの予選グループ戦を行います。
各リーグ1位のみが決勝トーナメントに進出でき、狭き門となります。
決勝・3位決定戦以外は2エンド制で、ルールはほぼ「パラウェーブNAGANOカップ」と同様ですが、予選リーグから5分の「持ち時間制」があり、試合前のウォーミングアップとエンド間も時間が決まっており、より公式競技規則に近いルールが採用されています。
「JBP」は町役場の兄弟チームも応援に。手作りの横断幕と旗も用意して気合十分。
「県内無敵」のチーム、いざ全国に挑戦です!
最初の試合は、神奈川県川崎市の大会を勝ち抜いた、「川崎ボッチャーレ」との対戦。
川崎市職員がメンバーということで、公務員対決となりましたが、「川崎ボッチャーレ」は東京カップ2021で優勝している超強豪で、いきなりの大一番です。
先行となったJBPは、県大会と同様にで1番BOXの選手がサイドの近めにジャックボールを置く戦法をとり、ジャックファースト(ジャックボール後の1球目)はくっつきはしないものの、悪くない位置に置きます。
しかし、相手はこのわずかな隙間を見逃してはくれず、1球目をジャックボールとの隙間に入れられてしまいます。
早めにこの状況を打開したいJBPでしたが、近くにはいくものの、中々逆転に持っていけず、結局残りの5球を使いきってしまいます。
それでも、ジャックボールの手前に多くのボールを固めており、最小失点で凌げる構図かと思われましたが、そこはさすがの優勝経験者。
2球目のヒットでジャックボール手前のJBPのボールがはじき出され、3球目はコースの空いたジャックボールにヒットさせ、アウトボールとし、ジャックボールはがら空きのクロスボックスへ。
残りの3球を難なく寄せた川崎ボッチャーレが3点を先制します。
川崎ボッチャーレは2番ボックスの選手が対角にジャックボールを投じます。続いてのカラーボールは少しジャックボールと隙間が空き、ここでJBPの1球目がジャックボールに着けて逆転します。
しかし、優勝経験者は全く動じず、2球目でJBPのボールをプッシュで押し出した上にナンバーワンを奪い返します。
JBPは2~4球目を外してしまいますが、5球目でジャックボールと相手ボールの間に挟みこむナイスプレーをみせます。
これで少しは相手に球数を消費させられるかと思われましたが、結局1球でナンバーワンを奪い返されてしまい、この後の最後のJBPのボールは寄せることができませんでした。
貪欲に得失点差を稼ぎにくる元王者は残りの4球も完ぺきな投球を見せて、このエンドは大量5点。トータル8対0で川崎ボッチャーレの勝利となりました。
川崎ボッチャーレは選手によってボールの素材や硬さを使い分けており、熟練度の高さがうかがいしれ、JBPの選手も未知のレベルの高さに面食らった様子でした。
続いての対戦は日本ボッチャ協会ナショナルチームのコーチ陣で編成された特別チーム「火ノ玉コーチレッド」。日本代表の井上監督も含まれた日本で最も「ボッチャを知りつくした」チームといえるでしょう。
このゲームには出場しませんでしたが、パリパラリンピックに内定している遠藤裕美選手(BC1)もチームメンバーとしてコートエンドから声援を送っていました。
先攻としてジャックボールの権利を持つ第1エンドは、第1試合と作戦を変更し、7m付近中央でのやや遠距離戦を選択しますが、ジャックファーストを1m以上後方へ逸らしてしまいます。
次の相手の1球目も後方に逸れ、ターンオーバーにはなりましたが、ジャックボールはがら空きの状況。
ここでJBPの2球目がジャックボール手前数cmまで寄せます。
相手の2球目以降のアプローチやヒットは上手く決まらず、結局最後の6球目のヒットでナンバーワンを何とか奪回します。
JBPは3、4球目で自チームのボールを押してジャックボールに近づけるプッシュが成功し、ナンバーワンを確保。
複数得点を狙いところでしたが、ジャックボールの後ろにある相手ボールが気になったことから、リスクを回避し、残りをノースローとして1点を先制します。
相手チームがジャックボールの権利を持つ第2エンドは、ジャックボールがVラインの頂点付近に置かれ、第1エンドと変わって超近接戦となります。
かなり近い位置ということもあって、序盤はヒットとアプローチの応酬で目まぐるしくファーストボールが入れ替わります。
しかし、JBPはジャックボール前が混みあってきた4球目以降で状況を打開できず、相手が2点の状態で6球を使いきります。
相手チームの残り3球の投球後も状況は変わらず、このエンド「火ノ玉コーチレッド」が2点獲得。
トータル1対2で悔しい逆転負けとなりました。
試合後は代表コーチからボールの違いや戦術について指導をいただき、より、ボッチャのチームメンバーはボッチャの奥深さを実感しました。
予選リーグは折り返し。後編へ続きます!