ボッチャ東京カップ2024レポート【後編】

ボッチャ東京カップ2024レポート【後編】

東京カップ2024に挑んだ「JBP」の様子をお届けしているレポートの後編です。(前編はこちら

予選リーグ2連敗の折り返しとなりましたが、後半で巻き返しをねらいます。

第3試合 vs「ODRCフェニックス」

連敗となった後の相手は、東京パラリンピック団体戦銅メダルの中村拓海選手(BC1)を擁する、大阪発達総合療育センターの職員中心のチーム。
ボッチャ東京カップに複数回出場し、今大会も直系の予選会を勝ち抜いてきた超実力派です。

中村拓海選手

第1エンド

JBPは後攻となり、第1エンドは相手チームのジャックボールから。
中村選手が4m付近左サイドにジャックボールを投じ、ジャックファーストも確実に寄せていきなりメダリストの実力を発揮します。
JBPは1球目はミスになりますが、2球目でヒットを成功させます。3球目のアプローチも失敗してしまいますが、4球目でナンバーワンを獲得。
ただ、コースの空いていた選手にジャックボールにピッタリ寄せられ、1球で逆転されます。
残り2球で苦しい状況の中、JBPの5球目はジャックボールを押して相手のボールから離しつつ、自身のボールもくっつける最高の投球となります。
これで相手を苦しめられるかと思いましたが、流石は常連チーム。同じことをやり返される形で1球で逆転されます。
追い詰められたJBPですが、この日右肩上がりで調子あげてきたチームはあきらめません。ラスト6球目はワンバウンドでジャックボール付近のカラーボールをかき分け、結果的に1対1の同点と思われる状況に持ち込みます。
それでも3球残っている相手チームが有利かと思われましたが、必ずそうはならないのがボッチャの面白いところ。
まずは、ヒットでジャックボール付近をクリアにしようとしたところ、5球目でジャックボールだけが奥に転がり、JBPが少なくとも2点の状況に変化します。
相手チームのラストは中村選手でしたが、持ち時間が10数秒程度しか残っておらず、十分な投球準備動作を確保できなかった中村選手のアプローチはショートに。
計測の結果、JBPに3点が入り思いがけない形で大きなリードを手に入れました。

相手の5球目。ヒットがジャックボールに当たり…

ナンバーワンがJBPに転がり込みます

第2エンド

JBPがジャックボールの第2エンド。
JBPは第2試合と同じく、7m付近中央を選択します。ジャックファーストは1m弱後方に伸びてしまったところで、相手の1球目はジャックボールのサイドにつけてきます。
リードを確実に守りたいJBPですが、4球目までで逆転することができず、5球目を前に作戦会議で仕切り直します。
これが奏功したのか、5球目がいわゆる「ビッタビタ」の状態に決まり、更にナンバーワンも奪い返します。
この5球目が非常に強力な状態で、相手はヒットで状況打開を図りますが、当たっても崩れません。また、4球目以前のボールがジャックボールの裏に回りこんでおり、更に相手にとって厄介な状況を生み出していました。
結局、相手チームは最後までJBPの5球目を崩せず、このエンドもJBPが1点獲得。
強豪から堂々の両エンド勝利で、ついに今大会初勝利をあげました。

ジャックボールを前後で挟み込み相手の猛反撃をしのぎます

最後は健闘を称え合います

 

第4試合 vsYRK

予選リーグ残りの1試合は翌日に行われました。
この時点で3勝しているチームがあり、決勝トーナメント進出の可能性は消えてしまいましたが、勝って気持ちよく帰りたいところ。
最終戦の相手は東京の武蔵野カップ代表で、小学生3人の姉弟チームの「YRK」です。

試合前のあいさつ

第1エンド

先攻のYRKは1番ボックスの選手が4m付近の左サイドにジャックボールを置き、ジャックファーストを確実にジャックに近接させます。
JBPの1球目はショートでしたが、2球目で「ビッタビタ」の投球でターンオーバー。

相手チームの2球目以降は惜しい投球が続くもの中々ナンバーワンを奪え返せず、6球を使いきってしまいます。
JBPは残り4球が残っていましたが、作戦タイムの結果、リスク回避でノースローとし、JBPが1点先制します。

YRKはこまめに作戦会議を取るチームワークを見せます

相手チームが投げ切った直後。リスクのある状況にノースローを選択します

第2エンド

JBPはジャックボールを2番ボックスの選手がクロス気味に投げるという、これまでになかった作戦でエンドを開始。

ジャックファーストはジャックボール手前30㎝付近の悪くない位置につけます。
相手の1球目がジャックボールから10㎝に止まり、すぐにターンオーバーとなりますが、JBPも3球目で5cm付近まで近づけ再逆転します。
ここで1エンド同様、相手は惜しい投球が続きますが、5球目のプッシュによりナンバーワンを奪い返します。
ジャックボール手前にボールが密集したかなり難しい状況に、JBPは作戦会議に長めの時間を割きます。
4球目をアプローチ、5球目を山なりのボールでヒットを狙いますが惜しくも決まらず。
この時点で相手が1点の状況でしたが、6球目は逆転を狙わず、相手の6球目で複数失点をしないように手前にガードのボールを置く選択をします。
結局、相手は6球目を投げずにこのまま「YRK」が1点を獲得し、トータル1対1の同点になります。

第2エンド最終盤。ボールが密集した状況

JBPは6球目を手前に置くガードとします

タイブレイク

ボッチャ東京カップは予選リーグでも決着をつけるため、ファイナルショット方式のタイブレイクに突入します。
お互いのキャプテン同士の対決でJBPが先攻です。
泣いても笑っても今大会最後の投球でしたが、「魔物がいた」という言葉のとおりJBPのボールは無常にも1m以上オーバーしてしまいます。
相手のキャプテンは前日の別の試合でも完ぺきなファイナルショットを決めており、万事休す。と、思いきや、簡単な状況がプレッシャーになったか相手のボールは逆にショートとなり、メジャーによる計測が行われます。
結果は…
なんとJBPの勝利。思わぬ棚ぼたにメンバー一同苦笑いでした。

お互い緊張からか大きく外します

サイドからみたところ

結果、決勝トーナメントには進めなかったものの、全国の強豪相手に堂々の2勝2敗のイーブンでNAGANOのレベルアップを感じる大会となりました。

東京カップの豪華アスリート・ゲスト

東京カップの醍醐味は、火ノ玉ジャパンの選手と豪華ゲストの参加です。今大会参加アスリート・タレントを写真で紹介します。

火ノ玉ジャパン

杉村英孝選手(BC2)

廣瀬隆喜選手(BC2)

遠藤裕美選手(BC1)

ゲストアスリート・タレント(一部)

車いすラグビー池崎大輔選手

新日本プロレスチーム真壁選手

TIMチームゴルゴ松本さん

TIMチームレッド吉田さん

決勝トーナメント

予選リーグを突破した8チームと火ノ玉ジャパンのパリ内定3選手が激突した決勝トーナメント。

その詳細は日本ボッチャ協会Youtubeのアーカイブをご覧ください。

ボッチャ東京カップ2024 supported by かんぽ生命保険 2日目
ボッチャ東京カップ2024 supported by かんぽ生命保険 2日目2024年3月10日(日)9:50 LIVE START予選リーグ〜決勝トーナメント@武蔵野総合体育館11:45〜決勝トーナメント放送席 解説:日本ボッチャ協会    ゲスト:レッド吉田(TIM)    進行:久保田直子アナウンサー(テレ...

JBPと予選リーグ初戦で対戦した「川崎ボッチャーレ」が3年ぶり2度目の優勝を飾りました。

大会の公式結果はこちら

高いレベルに豪華なゲスト陣と見どころ満載の東京カップの様子、いかがだったでしょうか。
是非出てみたいという方、来年度のパラウェーブNAGANOカップでお待ちしております!

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